会社概要
DJI(ディー・ジェイ・アイ、中国語: 大疆创新科技有限公司=大疆創新科技有限公司、英語: Da-Jiang Innovations Science and Technology Co., Ltd.)は中国広東省深圳にある会社で、民生用ドローン(マルチコプター)およびその関連機器の製造会社である。
沿革・歴史
2005年、香港科技大学を卒業した汪滔(”Frank” Wang Tao)らによって創業。
2006年、最初の製品を発売。
2015年1月、アメリカ合衆国のホワイトハウスでDJIのドローンが侵入していたことが話題になり、後に泥酔したシークレットサービス職員によるものとわかり、アメリカのドローン規制に影響を与えた。同年には廉価でカメラジンバルを導入した使い勝手の良さから世界シェアの7割超を占める商用ドローン業界の最大手となっていた。
2015年4月、日本の首相官邸無人機落下事件でDJIのドローンが使われた際は皇居周辺と総理大臣官邸をGPSで飛行禁止空域にする対応を行った。同事件を受けてドローン規制法が整備され、警視庁はDJIのドローンを改造してドローンを網で捕獲する無人航空機対処部隊(IDT)を発足させた。
2015年7月、日本企業と初の業務提携をプロドローンと交わした。日本では2014年から2015年にかけてDJIはドローン関連技術の特許出願件数を大きく伸ばし、2位のプロドローンを上回っている。
2015年12月20日、深圳市に旗艦店をオープンさせた。
2016年10月、日本初となる正式販売店を新宿に開設した。
2017年1月、スウェーデンのカメラメーカー、ハッセルブラッドを買収した。
2017年4月、DJIのドローンが中東のテロ組織ISILに利用されてることを受け、イラクとシリアの紛争地帯をGPSで飛行禁止空域にする措置を行った。DJIの民生用ドローンは安価で手に入ることから中東では非正規武装勢力による爆発物の投下などへの使用が報じられることも多いが、軍用ドローンの先進国であるイスラエルでも正規軍の国防軍はDJIのドローンを大量に導入しており、暴動鎮圧目的での催涙弾の投下にも利用された。
2017年8月、アメリカ合衆国陸軍は陸軍内部で最も広く使われてるDJIのドローンの使用をサイバーセキュリティにおける安全保障上の懸念から中止させた。ただし、その後もアメリカ合衆国海軍やアメリカ合衆国海兵隊、アメリカ合衆国空軍の使用例も報告されるなど米軍全体での全面禁止には至ってなかった。また、同年8月にシェアを競ってきたアメリカ合衆国のドローン最大手、3DロボティクスはDJIのドローンにソフトウェアを提供するパートナーシップを発表した。
2017年10月、DJIが主催するロボット競技であるロボマスターを題材にした日本のダンデライオンアニメーションスタジオやGONZOと共同制作したテレビアニメのROBOMASTERS THE ANIMATED SERIESが放送された。
2018年5月、マイクロソフトと人工知能や機械学習の技術をDJIのドローンに活用する戦略的なパートナーシップを結んだ。
2018年6月、アメリカのテーザー銃と警察用ボディカメラ(英語版)のメーカー、アクソンと法執行機関向けのドローン販売で独占的なパートナーシップを結んだ。アメリカ合衆国の警察ではDJIのドローンは自動識別や自動追跡が可能で高倍率ズーム赤外線カメラを持つことから好まれ、2020年時点でバード大学の調査によれば公安機関のドローンは90%がDJI製品であり、全米最大の警察組織であるニューヨーク市警察も14機のDJIのドローンを採用するも市の審議会や市民団体からは人権やプライバシーの問題などを懸念され、ドローンの採用で市民に物議を醸したロサンゼルス市警察でも4機のDJIのドローンを導入してSWATが突入する際に初めて使用した。
2018年11月、カリフォルニア州史上最悪の山火事キャンプ・ファイアの発生で州災害対策本部が米国史上最大のドローンの緊急出動を行う事態となり、活動に協力したDJIのドローンが使用された。
2019年1月、調達部門の社員45人が部品の価格を不正操作して巨額の横領に関わったとして10億元(約160億円)規模の損失を計上した。
2019年5月20日、アメリカ国土安全保障省は北米市場で8割のシェアを持つDJIを念頭に中国製ドローンの購入に安全保障上の懸念から注意喚起したのに対してDJIはアメリカ政府と大手企業の第三者機関から安全性の保証を得ているとする声明を発表した。同年7月にアメリカ合衆国内務省は15カ月にわたるセキュリティ審査に合格した政府機関仕様のDJIのドローンを採用するも同年11月にアメリカ合衆国内務長官のデイヴィッド・バーンハート(英語版)は安全保障上の懸念を解消するまで800機を超えるドローン部隊を地上待機させるよう指示した。
2019年6月12日、初の地上走行ロボット「RoboMaster S1」を発売することを発表。
2019年8月、初のレース用FPVシステムを発表。
2019年12月、日本の海上保安庁はDJIを念頭に中国製ドローンを2020年度から買い換える方針を決定した。同年5月には日本政府の保有するドローンは330機のうち259機がDJIなどの中国製であることが報じられており、日本政府は2021年度から新規調達で中国製ドローンを事実上排除することを決定した。
2020年12月18日、アメリカ合衆国商務省産業安全保障局は「ハイテクによる監視」で大規模な人権侵害に加担している企業としてDJIをエンティティ・リストに加えた。
社名 | DJI Innovations |
本社 | 広東省深圳市南山区高新南四道18号創維半導体設計大厦西座14層 |
創業者 | 汪滔 |
業種 | ドローン |
設立 | 2005年 |
評価額 | 15$B(2015/1/23) |
主要投資家 | Accel Partners, Sequoia Capital |
HP | https://www.dji.com/ja/ |